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・水道をもっと知ろう! 魚を飼育するためには、電気伝導度の値だけではなく各種の試薬やモニターによって出来る限りの水質データの取得が必要である。それに加えて、自治体の水道局などへ水質検査のデーターを問い合わせたり、どの様にして水を作り、どの様に給水しているかをも問い合わせることがとても重要である。水槽の中の水質だけでなく、元の水がどのような物であるかをよく知る必要がある。 水棲生物の飼育が旨くいかない場合は水槽の濾過云々の問題以前に元の水道の水質の問題で有ることも多い。水道法による水質基準測定項目は全部で85項目にも亘る。だが、水道基準はすべての自治体の水道供給者がすべてをクリアしなくてはならない公定基準である。環境破壊要因が多量、多様化した現況での基準設定が甘くなるのは致し方ない。その現状での基準設定と、水棲生物にとって水は四六時中常時接触しなくてはならない環境であることを考慮すると、水棲生物を飼うために必要な水の清純度は人間の飲み水の基準である水道水質基準よりも遥かにシビアでなくてはいけない。 水道の水質基準項目が多岐に亘るので、その一つ一つの項目の意味あいを理解することは無理であろうが、基準値のボーダーぎりぎりにあるような測定項目を含む水道水を無処理でそのまま水槽に使用するのは絶対的にさけるべきである。それがまず第一歩である。 このような甘い基準であるので、水質基準上の問題が浮上しないにもかかわらず何故かおかしい水が蛇口から出てくるのである。そんな時のために、自分の水槽に使う水道の正確な取水位置(取水ポイント)、水源の水質的特徴、浄水場からの配管経路などを水道当局に問い合わせることをお勧めする。これらの知識は水質基準の諸データーよりも案外と重要な意味を持つことが多いし、問題解決の糸口、問題を推測する手がかりとなりうる。 水質基準に顕在化されない水道の問題としていろんなことが考えられる。 まず考えられる問題として、取水ポイントの地質に由来する水質特性である。日本の場合、石灰土壌、若しくはケイ酸分の影響が強く見受けられることが多い。 次の問題は、取水ポイントのレベル、すなわち源水のレベルでの水汚染の問題である。上流のダムからではなく河川より直に揚水している水道が多い。そのような場合、取水ポイントよりも上流域に住んでいる人口が例え数千人でしかない場合でも生活排水の処理具合、上水道の浄化設備などによっては水棲生物の住める水道水では無くなっている場合が多い。生活雑排水を含んだ水道水では魚の繁殖を行う上では高頻度の奇形発生ということにつながりやすいので特に要注意である。単に飼育をするだけでも問題を生じることは多い。生活雑排水の中に含まれる洗剤成分が水に溶けにくい有機有害物質を水に溶かしてしまうとも言われている。 もっとも、ダムから取水しているからと言って安心が出来るとは限らない。ダム自体が環境破壊の根元ともなりうる。ダムによる自然の川の「流れ」をせき止めることにより、貧酸素環境を作ってしまい、ダムの人造湖の水質悪化が起きることがある。「流れ」を止めることによって酸素を供給できない→濾過細菌が維持できない→水質の汚濁という図式である。特に一つの川に沢山のダムが造られている場合はこの問題がより深刻になる。 水源の時点での水の汚れは水道法の水質基準値に引っかかってこない(水道基準を満たされるまでに処理されてしまう)のだが、元の水質の抱える問題に加え、水源の水質が悪いがために塩素を代表とする薬品処理が一段ときつくなるといった二次的な悪影響が積み重なっていくので始末が悪い。 このほか、地下水を汲み上げている自治体もかなり多い。おまけに、汲み上げた地下水の水質が悪いために逆浸透膜で処理してブレンドしている自治体もある。 そんなわけで、使用する水がどこから来ているのか、どのようにして作られているかはチェックしてほしい。 ついでに、自分の家までの配管経路についても調べておくといい。配管の末端で有ればそれだけ配管の中のごみ、配管材料自体の溶出の影響を受けやすくなるし、配管の先端であると残留塩素が高い場合がある。 水道水質が季節的にかなり大きく変動をすることもお知り願いたい。電気伝導度がや総硬度の年間を通してのデータを見た場合、最大値が最小値の倍になることも珍しくない(文献1)。少し雨が多い、少ないといった事態で水質は劇的に変わるものなのである。自分のところは浄水器で水処理をしているからと言って決して安心をしてはいけない。常に水質を確かめておかなくてはならない。 自治体によっては水質データーや水をどうやって作っているかなどを開示することを嫌がるところも多いらしい。だが、水道水の水質データー、さらに処理、給水方法、経路までは是非とも知りたいものである。因みに、全国の河川の水質データーの一覧をまとめた年鑑もある(日本河川水質年鑑(各年度版あり:山海堂、日本河川協会著)ので参考に出来る方は参考にされると良い。 |